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バイブコーディングを用いた当事者開発における
制作開始動機と利用継続条件の探索

塚本 悠|ベネッセ総合教育研究所

言葉でアプリが作れる時代に

「欲しいものを自分で作る人」
増やすには?

一人ひとりが、自分の困りごとや願いに合わせてソフトウェアを作り、改善できる。その選択肢を専門家以外にも広げる「ソフトウェア開発の民主化」を目指す。自然言語でAIとアプリを作る「バイブコーディング」の可能性を、実践へつなぐ条件を探る。

背景・着眼点

作る人を増やすには、作ろうと思うきっかけと、実現する力が必要。

既存のアプリだけでは満たせない願いを、当事者自身が形にできるようにしたい。企業調査でも、AI導入の広がりに対し、新たな価値創出への展開が課題となっている[3]。本研究では、個人の制作開始動機と、制作・利用を支える条件に着目する。

実践1|自身の制作経験

自分で作ってわかったこと

予稿の分析と、制作開始動機の再整理案

自分の「欲しい」と「AIなら作れそう」が、制作の入口になった。

非エンジニアである筆者の11か月・33件
2025年8月〜2026年6月/事後的な自己評定

未完成18件
完成・未利用8件
完成・利用7件

制作開始動機の4類型(再整理案)

作業負荷軽減技術探索課題解決構想実現

予稿の3類型を拡張。各案件の再分類は今後実施。

筆者は欲しい機能や試したい技術に出会うと、「AIなら自分にも作れそう」と制作を始めていた。この感覚を制作可能感と捉えた。

しかし、意図した機能を実装できない場合や、作って初めて使い勝手・利用場面の想定の甘さに気づく場合があった。

利用7件の当事者性は高5件・中2件。自己・生活・仕事との結びつきが低いものはなかった。

実践2|社会人向け体験会

バイブコーディング
体験会で見えたこと

予稿外の追加実践・講師としての観察

自然言語で指示できても、制作を進める基礎知識は必要ではないか。

社会人向けレッスンを1回実施
参加者が作りたいものを聞き、制作を支援

操作・仕組みの理解

コンピューター、プログラム、ソフトウェア、ネットワークの基礎的な理解が、制作の進めやすさに関わる様子が見られた。

目的に合う手段の選択

得たい価値や必要な手間を踏まえ、
自作するか、他の手段を使うかを考える。

制作の進め方の具体化

目的に沿って、最初に試すことや
制作の順序を整理する支援が課題となった。

2つの実践を統合した示唆|今後検証する支援の仮説

小さな制作を繰り返し、
「作れる」と「価値を見極める」を育てる。

1.体験して学ぶ

AIで小さな制作を
繰り返す

「自分にも作れるんだ」

育てたいもの基礎知識と制作可能感

2.作りたいものとの出会い

自分の「欲しい」と
制作経験が結びつく

「これなら作れそう」

支援目的と手段の具体化

3.実現して価値を確かめる

自分や他者が使い、
確かめて直す

「形にできた、役立った」

支援完成・利用・改善

作る前に価値の見通しを立て、小さく作って確かめる。その経験が、次の見極めを育てる。

理論との接続:制作可能感を、AIを用いる制作の成功期待・自己効力感に関連づけて捉える[1・2]。3段階は本発表での提案であり、固定的な発達順序を意味しない。

次に確かめたいこと

どの壁に、どんな支援をすると、
自分の題材で制作を始め、進められるのか?

共同研究・実践協力を募集

実践者への調査、体験会や授業での検証に
関心のある方は、ぜひお声がけください。