統計ストーリー教材「分析助手」UIプロトタイプ・レビュー用

EP2 関係を式にする

相関と単回帰 / 性格分岐なし・固定1パターン版

関係を「量」で言う仕事が来ました。道具はEP1の要約+散布図です(EP1未読でも読めます)。

先生からの依頼

先生 1920年代の走行試験データがある。50台分、速度(speed・mph)と制動距離(dist・ft)を記録したものだ。安全資料に「速度が上がると止まるまでの距離はどれだけ延びるか」を式で載せたい。
> head(cars)
speeddist
42
410
74
722
816
910

50台分、速度4〜25mph、制動距離2〜120ftの範囲でデータが揃っています。この範囲の外については、まだ何も分かっていません。

探索: 関係の強さと形

まずを計算してみます。

> cor(cars$speed, cars$dist)
相関係数
0.81

Q1. cor()で0.81が出ました。次は?

散布図を描くと、右上がりの関係が見えます。速度が上がるほど、点のばらつきも広がっていく様子が分かります。

> plot(cars$speed, cars$dist)
speed(mph) dist(ft)

実測50台分の散布図(speed 4〜25mph, dist 2〜120ft)。右上がりで、速度が上がるほどばらつきも広がって見える。

分析: 回帰式を出す

散布図で直線的な関係が見えたので、を計算します。

> lm(dist ~ speed, data=cars)
(Intercept)-17.586.76-2.600.0123
speed3.930.429.46<0.001
> summary(lm(dist ~ speed, data=cars))$r.squared
0.65
⚠️ 式は dist = -17.58 + 3.93 × speed。これはあくまで「50台・speed 4〜25mphの範囲」で当てはめた式です。範囲の外に使えるかどうかは、また別の問題です。

Q2. 係数3.93の読み方は?

Q3. 切片が-17.58。制動距離がマイナスになるということ?

切片はと呼ばれます。

Q4. =0.65の正しい読みは?

先生 いい式が出たね。じゃあ、時速120mphならどれくらいで止まる?

Q5. 式に120を代入すると454ftになります。この数字、報告書に書いてよい?

報告: 安全資料に載せる文章を仕上げる

探索・分析で確かめたことを、そのまま文章にします。空欄を埋めてみましょう。

速度と制動距離の間には強い関係があり(相関係数 )、速度が1mph上がるごとに制動距離は平均 延びる(dist=-17.58+3.93×speed、R²=0.65)。ただしこの式は速度 有効であり、範囲外の速度への適用はできない。

「速度と制動距離の間には強い関係があり(相関係数0.81)、速度が1mph上がるごとに制動距離は平均3.93ft延びる(dist=-17.58+3.93×speed、R²=0.65)。ただしこの式は速度4〜25mphの範囲でのみ有効であり、範囲外の速度への適用はできない。」

2話目、完了

相関係数だけで満足せず形を見ること、係数を単位つきで読むこと、データの範囲を超えて答えないこと——今日の3つの判断は、この先のエピソードでも繰り返し試されます。