統計ストーリー教材「分析助手」UIプロトタイプ・レビュー用

EP3 差があると言ってよいか

検定 / 性格分岐なし・固定1パターン版

今日は「判定」の仕事。道具は「平均は揺れる」という感覚だけあれば十分です。

先生からの依頼

先生 モルモット60匹にビタミンCを2つの投与法(オレンジジュースOJ・サプリメントVC)で与え、歯の成長量(len)を測った実験データがある。論文に「投与法によって成長に差がある」と書いてよいか、判定してほしい。
> head(ToothGrowth)
lensuppdose
4.2VC0.5
11.5VC0.5
7.3VC0.5
5.8VC0.5
6.4VC0.5

OJ・VCそれぞれ30匹ずつ。「差がある/ない」を判定する仕事です。

探索: 判定の道具を選ぶ

Q1. 「2つの群の平均に差があるか」を確かめる道具は?

ここでの「群」とは、OJ群・VC群のようなカテゴリで分けたグループのことです。

t検定は「(差がない、という仮の前提)」を置いて考えます。

> tapply(ToothGrowth$len, ToothGrowth$supp, mean)
OJVC
20.6616.96
先生 平均差3.7もあるね。差があるってことにできないかなあ。

Q2. 平均差3.7。もう「差がある」と報告してよい?

分析: 検定を実行する

> t.test(len ~ supp, data=ToothGrowth)
t df
1.9255.30.061[-0.17, 7.57]

グラフにすると、2群は大きく重なっています。

> boxplot(len ~ supp, data=ToothGrowth)
OJ VC

実測値の第1〜第3四分位数・中央値・最小最大から作図。箱が大きく重なっている。

この判定には、事前に決めた(通常5%)を使います。

Q3. p=0.061の意味は?

Q4. 95%信頼区間[-0.17, 7.57]が0をまたいでいる。これは?

報告: 論文にどう書くか

先生の圧に流されず、確かめたことをそのまま文章にします。

Q5. 論文にどう書く?

⚠️ この話は「差があるとも無いとも言い切れない」という未決着のまま終わります。実務ではよくある結末です。この続きは、のちのエピソードで思わぬ形で決着します。

3話目、完了(未決着)

権威に押されても判定の手続きを曲げないこと、p値を正しく読むこと、有意水準を絶対視しないこと——今日の3つの判断は、この先でも繰り返し試されます。