統計ストーリー教材「分析助手」UIプロトタイプ・レビュー用

EP6 報告書と落とし穴

総合(EP1〜5の再利用) / 性格分岐なし・固定1パターン版

今日は分析ではなく「報告」の仕事。手を動かす道具は不要、判断だけが問われます。

先生からの依頼

先生 EP1〜5の結果を1本の報告書にまとめてほしい。ただし、共同研究者から要望が届いている。
共同研究者 「教育が出生率を下げると断定してほしい」「有意な結果だけ載せてほしい」「グラフは差が目立つようにしてほしい」

この要望、そのまま聞いてよいものでしょうか。

探索: 報告書の役目とは

報告書は「読者を説得するための資料」ではなく、「読者が自分で正しく判断できるようにするための資料」です。共同研究者の3つの要望は、いずれもこの役目とぶつかる可能性があります。

⚠️ 「結論に都合の良い情報だけを見せる」ことは、たとえ悪気がなくても、読者の判断を歪めます()。EP3で学んだp値の意味、EP4で学んだ「証明」と「関連」の違いが、ここでもう一度試されます。

分析: これまでの結果を並べる

報告書を書く前に、EP1〜5の結果を全て並べます。有意でなかったEP3も隠さず載せることがここでの前提です。

手法主な結果
EP1記述統計中央値31.5ppb(平均42.1ppb)
EP2単回帰dist=-17.58+3.93×speed(R²=0.65)
EP3t検定差3.7、p=0.061(有意でない)
EP4重回帰Education係数-0.98(調整前-0.86)
EP5ロジスティック回帰wt係数-4.02、的中率90.6%(自己採点)

報告: 要望への意思決定ラリー

共同研究者から届いた要望に、1つずつ答えていきます。

Q1. 「有意になった変数の結果だけ載せて」

Q2. 「棒グラフの軸を50から始めて、差を大きく見せて」

Q3. 「この相関、因果として書いて」

Q4. 報告書の章立てを正しい順に並べるなら?

Q5. 報告書に必ず添付すべきものは?

目的: 大気質・安全性・投与法・出生率・トランスミッションに関する5つの分析結果の報告。
結果: EP1(オゾン中央値31.5ppb)/EP2(dist=-17.58+3.93×speed, R²=0.65, 範囲外への外挿は不可)/EP3(OJ-VC差3.7, p=0.061, 有意差なし)/EP4(交絡調整後もEducationの負の関連は保持, 係数-0.98)/EP5(wt係数-4.02, 的中率90.6%は自己採点)。
限界: いずれも観察データであり因果の証明はできない。EP3は今回のnでは検出できなかっただけで、差がないと確定したわけではない。

6話目、完了

結論ありきの要望に、断るだけでなく代替案を添えて対応しきりました。この経験は、次の総力戦(EP7)で試されることになります。